【2024年最新版】CRMを比較!無料・有料のおすすめツール13選

CRMとは顧客関係管理システムのことで、企業が取引きする顧客自体の情報と、顧客に対する活動を主に管理する仕組みを提供します。

顧客自体の情報も会社名・連絡先をはじめとして開示情報や企業活動など収集できる情報は増えています。

純粋に顧客の情報を登録・更新するようなものから、AIを使った高度な分析ができるようなものもあるため、製品やサービス種類が多く選定が難しいのが現状です。

この記事では、数あるCRM製品・サービスからおすすめをピックアップして解説します。

CRMとは

CRMとは顧客関係管理ツール(Customer Relationship Management system)のことです。

顧客の情報だけを管理するならば 顧客管理ツール となりますが、「関係(relationship)」という単語が付加されています。

顧客との関係を管理するということは、名刺に載っている会社名・役職・連絡先など顧客の情報そのものだけでなく、顧客と自分の会社がどのような関係にあるかを管理することでもあります。

顧客といっても、自分の会社から見たら販売先であったり、間接的な製品の利用者であったりと取引の内容や関係性は様々です。

自社商品を直接購入してもらったお客様なのか、販売代理店なのかなどの関係の違いもあります。

更にその顧客に対して、これまでに自社からどのような働きかけをしていて、これからどのような顧客となって自社を支えてもらいたいのか、今後自社になにかの形で貢献してもらえる見込みがあるかなど、顧客に関する情報は多岐にわたります。

このような顧客に関わる複雑な情報を一元管理することで、社内の営業部門や経理部門など各部門内外で共有できるようになるのです。

CRMツールでできること

CRMツールの定義は幅広く、顧客の情報を管理するものから顧客を起点にした多角的な情報を扱う大規模なシステムを指すこともあります。

提供する機能も多いのですが、以下のような機能を提供するものと考えて良いでしょう。

なお、全ての機能を備えていなくてもCRMツールと位置づけられている製品・サービスも多くあります。

  • 顧客情報管理
  • リード管理
  • プロモーション管理
  • お問い合わせ管理
  • データ分析・レポート

顧客の情報を登録・更新して共有する

CRMは顧客との関係を管理するツールですが、その前提として顧客そのものの情報を管理(参照・登録・更新・削除)する必要があります。

更に、自分の会社と取引のあるお客様の情報はできるだけ最新に保ちたいものです。

お客様の情報は名刺を頂戴したタイミングなどで新規登録することになりますが、その後会社名や住所が変わったりした場合は都度更新しなくてはなりません。

同じ会社に所属するお客様が数十名になると会社情報は一括で更新する機能がほしくなりますが、そのような機能を備えているCRMもあります。

更新機能はそこまででなくても、何かしらのCRMツールにて一元管理しておけば、誰かが更新した情報を社員全員が共有できるいうメリットにつながります。

リード管理

リード管理とは、簡単に言うと見込み客・既存顧客への提案や商談・交渉、今後の戦略を記録して共有することです。

用語としてのリードは見込み客のことですが、既存顧客も他の商品の見込み客と見ることができるため、CRMツールでは既存顧客もリードに含めるのが一般的です。

リード管理はCRMツールの最も重要な機能であり、各社ツールの違いが出やすいポイントになります。

顧客のランク付け、実際の交渉内容の記録などを行い、その情報を様々な条件で抽出できるツールが多いです。

プロモーション管理

プロモーション管理は顧客に対するプロモーション活動を管理・支援する機能です。

はがきや封書、電子メールでのダイレクトメール(DM)の送信やDMへのリアクションの記録、最近ではSNS・SMS・チャットサービスを活用できるツールも出てきました。

お問い合わせ管理

リード管理は自社から顧客へのアクションを管理しますが、反対に顧客から自社へのお問い合わせについても管理し、顧客管理機能・リード管理機能と連動できるとより利便性が高まります。

お問い合せフォームの機能が最初から備わっているCRMツールも多くあります。

データ分析・レポート

上記の4つの管理機能で蓄積した情報を分析する機能も非常に重要になります。

データを分析して次のアクションに活かせるかどうかがCRMツール導入の成否を決めることになるためです。

各社のツールでどのように分析するか、どのようにアウトプットできるかが異なりますので、自社に課題解決につながるかどうかを見極める必要があるでしょう。

SFA・MAとの違い

ここまでCRMツールが提供する機能を紹介してきましたが、類似性のあるツールであるSFAおよびMAとの違いも紹介しておきます。

MAはMarketing Automationの略で、リード(見込み顧客)に対する施策が主な機能となります。

具体的にはメルマガやSNSでの情報発信機能で、自社や自社製品に興味を持ってもらうための機能が備わっています。

SFAはSales Force Automationの略で、営業活動のプロセスやナレッジを管理・共有することで営業活動を支援するツールです。

商談や案件の管理機能、見積書作成機能などを備えています。

このように、CRMとSFA・MAは営業向けのツールという共通点があるものの、対象とする顧客の状況や利用するプロセスが異なるだけで厳密に区分する必要性はそれほどなく、自社の課題解決につながるかどうかが重要です。

製品・サービスとしても、各ツール単独のものよりもCRMとSFAを組み合わせたもの、CRMとMAを組み合わせたものなどが多いのが現状です。

CRMツールを選ぶポイント

それでは、数あるCRMツールを選ぶ際に、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。

冒頭でも選定の難しさに触れましたが、ここでは選定にあたっておさえておきたいポイントをいくつか紹介します。

  • 特に改善したい業務は何か
  • 投資可能な費用と期待する効果
  • 企業・組織の業種・形態・規模
  • 導入や運用のしやすさ
  • 関連するツールの導入状況

特に改善したい業務は何か

最も重要なことは、今あなたの所属する企業や組織で特に改善したい点は何かを明確にすることです。

組織内の課題をしっかりと洗い出して、その課題解決につながるかどうかを十分に検討してください。

投資可能な費用と期待する効果

CRMツールは月額ひとりあたり数千円~というプランが多く、完全無料で継続利用できるものはほぼありません。

そのため、投資効果に対して期待するリターンを試算しておくことが重要になります。

企業・組織の業種・形態・規模

CRMツールは特定の業種や形態・規模と特に相性の良いもの、逆に相性の悪いものがあります。

大企業向けのツールは中小企業にはフィットしませんし、日本語特化のツールは海外での使用に向きません。

このような自社の特性をツールの特長と照らし合わせて選定を行いましょう。

導入や運用のしやすさ

機能が豊富にあっても使い勝手がわるかったり、覚えることが多すぎると導入でつまづいたり思うように定着せず活用できないという結果につながります。

サポートサービスがあるツールの場合は、有償であっても導入初期においてはサポート契約を締結することをおすすめします。

関連するツールの導入状況

CRMツールはそれ単体よりも、他の業務システムや外部サービスとの組み合わせで力を発揮します。

顧客の情報は様々な業務に関連するためシナジーを生みやすいのです。

そのため、現在既に社内で使用しているツールがあればCRMツールが連携できるかどうかを是非事前に確認してください。

おすすめのCRMツール13選

おすすめのCRMツールを以下の表にまとめます。

CRMツール 月額費用(税込み) 無料お試し
Sales force Salses Cloud 3000円/1ユーザー~
Microsoft Dynamics 365 5440円/1ユーザー~ ×
Zoho CRM 1680円/1ユーザー~ ◎15日間
Senses 27,500円/5ユーザー~
eセールスマネージャー Remix Cloud 11,000円/1ユーザー~ ×
Oracle Sales(旧Oracle Sales Cloud) 65$/1ユーザー~ ×
Hubspot CRM 0円~
Knowledge Suite 50000円~(ユーザー数無制限)
kintone 780円/1ユーザー~
Synergy! 10000円~ ×
GEOCRM.com 1800円/1ユーザー~(最低10ユーザー) ◎14日間
Sansan 要見積り ×
GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう) 1800円/1ユーザー~(最低10ユーザー) ◎15日間

ここからは各CRMツールの詳細を紹介していきます。

Sales force SalsesCloud

Sales force Salses Cloudは世界中で15万社の導入実績を持つCRMツールで、SFA・MAの範囲も広くカバーすることができることから、「顧客管理ソリューション」と位置づけられています。

また、企業規模も中小企業から大企業まで対応でき、業種も問いません。

様々な他社製のサービスの連携機能が提供されているため、既に導入済みまたは今後導入を検討しているサービスがあれば連携可能かどうかを確認しておきましょう。

企業買収も活発に行われており、最近ではチャットツールのSlackを買収し、自前の大規模なチャットサービスを手に入れ、相乗効果が期待できます。

運用コストについても、最小規模では利用者一人当たり月額3,000円程度から利用開始できます。

オプションが豊富なためにあれもこれもと追加してしまうとコストが膨れ上がりますので、利用機能の選定は慎重におこなってください。

Microsoft Dynamics 365

Microsoft Dynamics 365 はマイクロソフト社が提供するビジネスの統合ツールです。

その製品群のひとつにCRMやMAを担うものが含まれており、単独で購入して使用することも、マイクロソフトの他のツールと組み合わせて利用することもできます。

特に Microsoft Office製品との親和性は高く、既に業務で Office製品を使用している場合は導入のハードルは下がることでしょう。

Sales Forceと同様に、製品・サービスは幅広い業務領域をカバーしていますので、そのなかから自社に必要な機能を適切に選択することが重要になります。

Zoho CRM

Zoho CRMは世界25万社への導入実績をもつ、SFAと融合したCRMツールです。

幅広い範囲をカバーしており、営業・マーケティングに関する業務機能はすべてそろっていると言えます。

各国語に対応しているので、グローバルに展開する企業には特におすすめですが、一方で不自然な日本語表現が見られるという欠点も見えてしまいます。

Zoho製品ラインナップのみならず、いくつかの外部サービスとの連携も可能となっており、無料アプリの「Zoho Card Scaner」を使えば名刺スキャンによる自動情報入力ができるようになります。

Senses

Senses(センシーズ)は顧客・案件・行動・名刺などの営業活動に必要な情報を一元管理することのできる国産CRMです。

名刺のOCR読み取り、スマホアプリ対応、AIによる分析とレポーティングなど、最近のCRMに必要とされる機能を備えています。

iPaaSが対応している国内外1,000以上のサービスと連携できることも特長です。

ランニングコストが5ユーザー以上からとなっているため1ユーザー単位の他社と比較すると割高に見えますが、1ユーザーに換算すると5,000円/月程度でMicrosoft Dynamicsとそれほど変わらない価格となっています。

導入・定着までに不安がある方は、有償ではありますが手厚いプレミアムサポートプランも提供されていますので活用を検討してみましょう。

eセールスマネージャー Remix Cloud

eセールスマネージャー Remix Cloudは、導入実績5,500社以上、利用継続95%をほこる国産のCRM/SFAです。

導入した企業に定着し、活用されるまでの一貫したサポート体制が強みになっています。

シングルインプット・マルチアウトプット を提唱しており、入力を簡単にかつ一度で済ませ、さまざまな用途向けに画面・ファイル・連携データなどの形でアウトプットすることがコンセプトです。

Oracle Sales(旧Oracle Sales Cloud)

旧Oracle Salse Cloudは2021年よりOracle Salesに名称を変更して販売されている CRMツールです。

米国産の製品を日本語向けにローカライズしたもので、日本国内での導入実績はそれほどではありません。

機能的には大企業をターゲットとしており、販売代理店の管理機能を備えています。

オラクル社のデータベース製品は非常に有名で、クラウドサービス分野でも徐々に頭角をあらわしつつあり、組織としての技術力には定評がありますので、これからの動向には注目したいところです。

Hubspot CRM

Hubspot CRMは機能を限定すれば無料で使えるCRMツールです。

無料で使える機能は ウェブチャット・基本ボット・チームの共有アドレス・カスタマイズ可能な見積もり・Eメールのスケジュール設定ですので、本格的なCRMには遠いですが、使用感は統一されていますので導入を検討しているのでしたら無料の範囲で試してみることをおすすめします。

多くの言語に対応していますので、グローバル展開している企業に向いているといえるでしょう。

Knowledge Suite

Knowledge Suiteは、CRM/SFAに加えてグループウェア・ビジネスアプリケーションが機能連動する統合型CRMツールです。

PC・タブレットなどマルチデバイスに対応しておりどこからでも利用可能です。

料金形態も特徴的で、昨今主流の利用ユーザー数による課金ではなく、何名で利用しても月額利用料は変わりません。

そのため、ある程度の利用者数が確保できれば非常にお得に利用することができます。

CRM機能が利用可能な最安プランは月額50,000円ですので、仮に200人で利用すれば一人当たり2,500円と破格になります。

逆に、10名などの小規模組織では導入が難しいため、他のCRMツールを選択すべきでしょう。

kintone

サイボウズが提供するkintone(キントーン)は、さまざまなオリジナルの業務アプリを自分たちで作って運用できるシステムです。

豊富に用意された標準的なアプリテンプレートの中には、CRMやSFAの機能を持つものがありますので、それらのテンプレートを必要に応じてカスタマイズして利用することができます。

純粋なCRMツールに比べると機能はリッチではありませんが、自分たちで作った他の業務アプリとのデータの連携ができることは他のツールとの大きな差別化になります。

業務の独自性が高い企業に特におすすめのツールです。

Synergy!

Synergy!(シナジー)はウェブデータベースをウェブアプリケーションを組み合わせて利用できるサービスです。

顧客データベースを中心に据えている点ではCRMツールと呼んでも良いでしょう。

メインとなる顧客データベースを利用して、メール配信やLINEへの配信、アンケート、メールやフォームなどからのお問い合わせが一元管理できる問い合わせ管理、顧客データを活用した広告配信やWebサイトのコンテンツの出し分けが利用できます。

必要な機能を選択して利用するため、機能を限定すれば安く利用することができますが、たくさんの機能を利用すると高額な運用費用になりかねませんので、事前に必要性を確認しましょう。

GEOCRM.com

GEOCRM.comは、上記で紹介したKnowledge Suiteと同じくナレッジスイート社が提供するCRMツールです。

顧客への訪問時にヒアリングシートを入力して顧客カルテを更新することで、見込み顧客育成を目的とする新しい形のモバイルCRMクラウドサービスです。

地図情報を多用することで、効率的な顧客訪問ルートを直感的に把握できるほか、どのエリアに見込み顧客が集中しているかなどの分析結果もビジュアルで表現されます。

Sansan

Sansan(サンサン)は、8,000社の導入実績をほこる国産の「営業DXサービス」です。

名刺読み取りを活用した顧客情報管理を基点として、営業活動に必要な機能を提供することで、ペーパーレス化をはじめとした組織のDXを推進します。

帝国データバンクの企業情報を標準搭載しており、企業名や企業の電話番号などの情報をもとに詳細な企業情報を抽出することができます。

オンライン名刺サービスはリモート商談の多い昨今では非常に有用ですので、この機能だけでも導入を検討してみてはいかがでしょうか。

GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)

GENIEE SFA/CRMは、2022年に「ちきゅう」から名称を変更したCRM/SFAツールです。

国産でかつ月額1480円/1ユーザーからと、安価に始められるのが特長です。

画面は使いやすさを重視したシンプルな画面のため、定着率が他のツールに比べて高めの水準にあります。

セミナー・イベントも活発に開催されていますので、ツールに興味を持ったら導入前に参加してみてはいかがでしょうか。

無料のメールフォーム EasyMailを活用する

どのCRMツールを利用する場合も、お試し期間終了後は継続的に費用がかかります。

CRMツールの機能の一部として提供されるメールフォームだけを使いたい場合や、コストを抑えて試してみたいという場合は、無料で使えるメールフォーム EasyMail をおすすめします。

EasyMailはメールフォームを提供するCMSで、MITライセンス下、無料で継続的に利用することができます。

クラウドサービスではなくオンプレミスですので自分で用意したサーバに組み込む必要がありますが、それさえできてしまえばいくら使っても無料というのは魅力的ではないでしょうか。

導入サポートサービスもありますので、一度検討してみてはいかがでしょう。

CRMを導入して顧客接点を強化しよう

CRMは今や必須の営業ツールとなりました。

CRMおよびSFA/MAの組み合わせで顧客との関係を強固なものにすることができます。

これから新たに導入する場合は種類が多く選定は難しいですが、無料お試し期間を活用するなどして適切に選択すれば、あなたの会社の大きな武器になるはずですので、是非検討してみてください。

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