PHP8の基本情報や仕様を解説。PHP5・PHP7との変更点は?

「PHP8とPHP5・PHP7との違いが何なのか分からない。」「PHP8へバージョンアップしていいのかな。」このような疑問をお持ちの方も多いかと思います。
PHP7からPHP8へのアップデートが発表されていますが、変わらず従来の古いバージョンにてWebサイトの運営を行なっている方や、バージョンアップが行われた情報を得てこれからアップデートの実行を考えていらっしゃる方も少なくないでしょう。
今回はPHP8の基本情報や仕様の解説を行いつつ、PHP5・PHP7との変更点についても確認していきます。ぜひ最後までご覧ください。

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PHPとは  

PHPは動的にWebページを作り出すことが可能な、サーバーサイドスクリプト言語です。
初心者が学ぶにも適したスクリプト言語と言われており、PHP以外のプログラミング言語と比較して、シンプルで分かりやすい構文であるという特徴を持っています。
データベースと連携を行うことが簡単という特徴からも、WordPressをはじめとした様々なWebアプリケーション開発に利用されているスクリプト言語と言えます。

PHPは、掲示板表示や問い合わせページをはじめ、ネットシッピングでのカートなど、動的と言えるWebページを活用する多様なアプリケーションにて利用されています。
例を挙げると、IDやパスワードの入力内容の正誤によって、異なるページが表示されることがあるかと思いますが、これはPHPが実際に処理を行なってくれているのです。
他にも問い合わせページにて利用者が入力を行なった内容や、ネットショッピングのカートにて利用者が購入した商品数や種類等により、最終確認画面にて表示される内容が変化するのもPHPの処理によるものです。

HTML及びJavaScriptとPHPの違いについて

PHPは動的にWebページを作り出しますが、HTMLが作り出すのは静的なWebページです。
静的なWebページは、どのタイミングでどのような人が閲覧しても同様な表示が行われるページのことを表します。
その一方で動的なWebページは、アクセスが行われたタイミング等どのような状況かにより表示される内容が変更されるページのことを表します。
例を挙げると、PHPがよく利用される掲示板等では利用者のコメント数が増加する毎に表示が行われる内容に変化が起こるかと思います。
これは動的なWebページの好例と言えます。
PHPの働きにより、動的にHTMLを作り出し表示を行うことができるようになります。

また、PHPはHTMLにより記述を行なったファイルの中に埋め込んで利用することが可能です。
つまり、HTMLにより記述が行われた内容の途中にPHPプログラムの記述を行うことができるということです。
それにより、PHP及びHTMLをそれぞれ異なったファイルという扱いを行わずに、1つのファイルへとまとめることが可能であるため、非常に利便性が高いです。

加えて、PHPとセットでWebページを作り出す時に利用されやすいプログラミング言語にJavaScriptというものがあります。
PHPがサーバーサイド言語である一方で、JavaScriptについてはクライアントサイド言語という位置付けです。
つまり、PHPの処理はWebサーバーサイドで実行される一方で、JavaScriptの処理はWebページを参照しているユーザー側のブラウザにて実行されるということです。
サーバーサイド言語であるPHPについては、サーバーサイドのMySQL等のデータベースとの連携を行うことができます。

PHPは基本的な内容の理解を一つひとつできれば、利用難易度がさほど高いわけではないかと思われます。
演算子やif文、while文、関数等への知識を少しだけ持っておくことにより、WordPress等の設定をご自身で行うことも可能です。
様々なWebアプリケーション開発に利用されているスクリプト言語であるため、使いこなせると色々な場面で役立つでしょう。

PHP8のアップデート内容


PHP8ではmixedや名前付き引数等、言語の仕様に大きな変更が加えられているだけにとどまらず、新コンパイラーの導入によって処理速度も大幅に改善されています。

従来のバージョンからPHP8へとアップデートすることにより、効率的なプログラミングが行えることはもちろん、UXの観点からも非常に良い変化がもたらされるでしょう。
最新バージョンのPHP8系が発表されていますが、その変更点は下記のようになっています。

1.仕様の見直しとその拡張
2.エラー処理能力の改善
3.新コンパイラーを導入

上記それぞれの変更点について見ていきましょう。

1.仕様の見直しとその拡張

例を挙げると比較演算子を用いる際の挙動に変更が加えられたり、新規のPHP関数の追加が行われることとなりました。
この変更により、従来と比較してソースコードがよりシンプルかつ分かりやすくなります。
業務効率化面においても、非常に良い変更であると言えるでしょう。

2.エラー処理能力の改善

PHP8からは、エラー内容をより一層具体的に表示するという仕様へ変更になりました。従来であれば警告もしくは通知として表示されていたものが、PHP8からはそれぞれ独立したエラーとして表示されることになります。

具体的な表示がなされるとなると、メリットも大きいですが、エラーとして扱われてしまう事象が頻発してしまう点はデメリットと言えます。
加えて、エラー制御演算子の@は分類としては致命的なエラーとなってしまいます。
今までのエラーレベルが調整されることになるため、従来であれば無視して進行することが可能であったとしても、PHP8からは無視することができなくなる可能性が高いと言えます。

3.新コンパイラーを導入

新しいコンパイラーであるJITが導入されました。
JITはJust In Timeの略称で、処理速度を更に高速化してくれるコンパイラーのことです。JITの導入が行われることによって、実行速度が従来のものと比べておよそ1.5から2倍ほど速くなるとされています。
言語翻訳の仕方が従来ものと異なることにより、高速化を実現することができているようです。

従来バージョンの場合、リクエストを行う毎にそのソースコードの読み取りが行われていました。
そしてopcodeへ変化した後、順番に処理作業を行い、終了後に破棄するというステップにてコンパイルが実行されました。
上記のような翻訳方式はインタープリタ型と言われています。
opcodeの処理作業が終了するごとにすべて破棄されるインタープリタ型では、同様のリクエストが行われても、再度コードをはじめから読み直し、opcodeに変換する必要があります。
同様のステップを何度も踏む必要があるために、実行速度が遅くなってしまっていたのです。

その一方でJIT (Just In Time)は、ソースコードをopcodeに変えることは同じですが、その次の過程でネイティブ言語へと変更を行っていきます。
それにより、同様のリクエスト内容が生じた際には、過去に翻訳がなされたネイティブ言語をそのままに実行することが可能です。
従来のインタープリタ型と比較すると、はじめから変換し直さなくてよくなるため、高速処理が実現できるようになりました。
処理速度の高速化を目的としてPHP8に切り替える方もやはり多いようです。

PHP8の新機能

ここではPHP8の主な新機能を8種類ご紹介します。
PHP8はJITをはじめ、様々な新機能と仕様変更が行われており、より利便性が高くパフォーマンスが高い言語へとアップデートされているようです。
PHPはアップデートの度に改良が行われてきており、新バージョンであるほど効率的な動作が行われるようになります。
アップデートにより加わった様々な新機能により、より効率的で快適な利用を行うことができるようになるでしょう。

1.名前付き引数が利用可能に

PHP8では名前付き引数の機能が利用可能になりました。
関数の引数として何を設定できるのかが分かるように、引数の名前指定が可能です。
その仕様としてはPythonに類似しています。
そのため、Pythonに触れたことがある利用者の方であれば、さほど問題なく扱うことができるかと思われます。

2.matchが予約語になり、match構文を利用するように

PHP8ではmatchが予約語になり、matchを関数名から利用する際にエラーが発生してしまいます。PHP8からはmatch構文を利用することになります。

match(制約式){複数の条件式};
matchは構文としてはswitch文に似ています。switch文と異なっているポイントは、比較を行う値の正確性にあります。
switch文では互いの値の厳密な比較を行わないませんが、matchでは型と値が両方とも一致することで値を返すという仕組みになっています。

3.型を問わず代入できるmixedが利用できるように

php8からはあらかじめ代入する型が決められていないmixedを利用することが可能です。
通常であれば、Stringといった変数宣言を行うと際には、代入する型を定めることになります。
その一方で、mixedは型を問わず代入することができます。
mixedを利用することによって、プログラマーに正確な指定ができなかったことであったり、意図的に型を明確に決めていないということを主張可能になります。
実際の内容としては、PHP8の以前から利用されているunion型と同様です。
public function foo(mixed $value): mixed {}

4.str_contains関数が利用可能に

PHP8からstr_contains関数が新たに利用できるようになりました。
従来のバージョンの場合、文字列の有無を確認する際には、strpos関数の利用をしていました。
今回新たにstr_contains関数が利用できるようになり、比較演算子の利用が必要ではなくなるため、分かりやすく簡単な形のソースコードになりました。

・PHP7の場合・・・$txt = ‘abcde’if(strops($txt, ‘abc’ ) !== false){echo ‘検索した文字が含まれます。’;}else{echo ‘検索した文字が含まれません。’;}

・PHP8の場合・・・$txt = ‘abcde’if(str_contains ($txt, ‘abc’ )){echo ‘検索した文字が含まれます。’;}else{echo ‘検索した文字が含まれません。’;}

5.Attributesが利用可能に

メタデータを埋め込み、記述を行うことができるAttributesが利用可能になりました。
他のプログラミング言語にてよく利用される方法ですが、PHP8から利用できるようになっています。
#[Attr1(“Bar”)]

6.文字列及び数値比較が合理化される

従来のバージョンのPHP では、厳密でない比較演算子を利用した文字列及び数値の比較について、文字列を数値にキャストし、整数か浮動小数の比較を実行しています。
これらの動作についてはとても利便性が高いケースも多いですが、意図しない誤った結果につながる可能性があり、バグやセキュリティ面での諸問題へと発展することもあるかも知れません。

7.数値を含んだ文字列が合理化される

PHPにおいては、数字を含んだ文字列は3つのカテゴリーに分けられます。
数値文字列: 数値を含んだ文字列のことです。前に空白が置かれる場合もあります。
先頭が数字の文字列: 最初の文字が数字による文字列で構成され、最後の文字が非数字である文字列のことです。
非数値文字列:上記2つのカテゴリーのどちらにも当てはまらない文字列のことです。

数値文字列と先頭が数字の文字列は、実際に行う操作内容によりその扱いが異なっています。
例を挙げると、下記のようになります。

文字列から数値への明示的変換(例:(int)および(float)型のキャスト)は、数値文字列及び先頭が数字の文字列を数値へと変換を行います。数字でない文字列を数字へと明示的に変換すると、0が生成されることになります。
文字列から数値への黙示的変換(例:strict_type宣言なし)は、数値文字列と非数値文字列の2つそれぞれで異なる結果内容になります。
数字ではない文字列から数字への変換を行うことによってTypeErrorが発生します。
s_numeric()は、数字の文字列に限定してtrueを返すことになります。
実際の文字列のオフセットや増分及び減分演算、そして文字列同士での比較などによっても結果は異なります。

8.コンストラクタのプロパティ昇格機能

PHPにおけるオブジェクトの使用感を改善する目的でコンストラクタにおけるプロパティ宣言をより一層単純化し、 冗長性を排除したシンプルな構文を利用できるようになりました。
これは昇格が行われたパラメータ、つまりpublicやprotected、privateの可視性キーワードが前に付けられたメソッドパラメータのみを対象として指定するものです。
従来のバージョンの場合、プロパティをオブジェクトで利用することができるようにするには、少なくとも4回以上繰り返した上で記述を行う必要があります。
プロパティ宣言やコンストラクタのパラメータ、プロパティ割当ての3カ所において、プロパティ名を何度も書かなければならないため、古いバージョンのままではやや使い勝手が良くないでしょう。
PHP8へのアップデートにより、コンストラクタ及びパラメータの定義を統合することができるようになるようです。
新バージョンでは短く、そして読みやすい構文を利用することができる上に、エラーが比較的発生しづらいプロパティ昇格機能となるため、非常に利便性が高まります。
より一層、作業効率化を図ることができる良いアップデート内容ですね。

PHP5系を使用し続けることの危険性

1.サポートを受けられなくなり、システムを作り直す事態に発展する危険性がある

PHP5系を継続して使用されている方も一定数いらっしゃるかと思います。
しかしPHPはバージョンアップが適宜行われるものであるため、今後古いバージョンのサポートは終了することになるでしょう。
サーバーがもしPHP5系のサポートを終了してしまった場合には、システムの稼働ができない状態に陥るかもしれません。
万が一新バージョンへのアップデートが必要になる時が来れば、システムを一から再作成しなければならない可能性があります。
もしそのような事態になると、膨大な時間と労力がかかる作業が必要となるでしょう。
早めの対応をしておくことが大切ですね。

2.セキュリティの脆弱性から標的になり、攻撃を受けてしまう危険性がある

サーバーの更新はおよそ5年程の間隔で行われていくかと思われますが、その際PHP自体もその時にサポートが行われているバージョンへとアップデートが行われることでしょう。
バージョンアップからしばらくの間は古いバージョンを入れておくことができたとしても、いずれ利用が不可能になるタイミングが来ます。
その時には古いバージョンのPHPにて稼働していたシステムが動作しなくなってしまうでしょう。
古いバージョンとなると、セキュリティの脆弱性から標的になり、悪意ある攻撃を受けてしまうリスクが高まります。
セキリュティ面から考えても、PHP8へ移行する重要性は高いと言えるでしょう。
遅かれ早かれ、いずれはバージョンアップをしないといけないものでもあるため、大きな問題が起こる前に更新しておく方が無難です。

PHP8へのアップデート時の注意点

PHP8への移行を行うことによるメリットは非常に大きく、利便性が高いと言えます。
今回のアップデートについて、非常に良い意見が多いのも確かなようです。
その一方で、アップデートに伴い、各種仕様変更がどうしても出てきてしまうため、実際にPHP8への意向を始める前に、その影響をしっかりと確かめておくことが大事です。
PHP8へとアップデートを行うと、下位互換性がない変更への対処がどうしても必要になってしまい、移行時の対処が正しくできなければ、機能面に問題が生じてしまうことになるでしょう。
PHP8へのバージョンアップに際し、どういった検証を行うべきなのかを解説します。

1.エラー修正を行うこと

PHP8へ移行を行うと、noticeエラーがwarningへと変化したり、undefinedのエラーが発生する可能性が高いです。
コード修正を行うことなくPHP8への移行を行なってしまうと、エラーが生じることにより、サイトが正常に機能できなくなるかも知れません。
奨励されていないコードを利用されているのであれば、すべて変更しておくことが望ましいです。

2.構文エラー修正を行うこと

構文エラーの修正も重要なポイントです。
PHP8へアップデートすると、implode構文がエラーになってしまうため、implode構文が存在している部分をすべて修正しておかなければなりません。
加えて、文字列の判定といった観点でも、nullはtrueからfalseへと変更されるため、文字列の比較判定が行われている部分もすべて修正しておくことが重要です。

3.開発サーバーを立てた上で検証を行うこと

PHP8へアップデートする際、奨励されていないコードの修正を行なった場合であっても、見落としが出てきてしまう可能性があります。
加えて、サーバーにおいてインフラ監視等のツールを利用されているケースでは、PHP8のバージョンに非対応であれば使えなくなってしまいますので確認しておくことが大切です。
開発サーバーを立てた上で検証を行うことにより、PHP8への移行の際の予期せぬ問題発生を最低限にすることができるはずです。

 

PHP8へのアップデートについて(まとめ)

PHP8への移行により、これら3つが主なアップデート内容となります。
1.仕様の見直しとその拡張
2.エラー処理能力の改善
3.新コンパイラーを導入

特に新コンパイラーであるJITの導入を魅力的に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
JITの導入が行われることによって、実行速度が従来のものと比べておよそ1.5から2倍ほど速くなるとされています。
従来のインタープリタ型と比較すると、はじめから変換し直さなくてよくなるため、高速処理が実現できるようになります。
処理速度の高速化を目的としてPHP8に切り替える方もやはり多いようです。

また本記事のPHPの新機能という項目にて記述をさせていただきましたが、PHP8では様々な仕様変更が行われています。
より利便性が高くパフォーマンスが高い言語へとアップデートされるため、更に効率的に業務を進めることが可能になるでしょう。
アップデートに際しては、各種仕様変更がどうしても出てきてしまうため、実際にPHP8への意向を始める前に、その影響をしっかりと確かめておくことが大切です。

PHP8へのアップデートに煩わしさを感じてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、古いバージョンのままで使用を続けてしまうと、今後サポートを受けられなくなり、システムを作り直す事態に発展する危険性があります。
また、セキュリティの脆弱性から標的になり、攻撃を受けてしまう危険性もあるでしょう。
いずれはバージョンアップをしないといけないものでもあるため、大きな問題が起こる前に更新しておくことをオススメします。

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